飼育用容器とその管理法

マツたちが暮らしている飼育用容器(水槽とはとても呼べない)とその管理法について、あまり詳しく書いたことがないと思うので、今日記す。

マツたちを飼い始めたのは昨年の10月20日だった。当初は食べるつもりだったから片手鍋の中に入れたままにしていた。飼うことになって10月末頃に800mlのタッパーをいくつか用意し、海水水槽に欠かせないアイテム「サンゴ砂」(下記リンク参照)を敷き詰めて、その上に簡単な岩組みをしてしばらく続けた。エアレーションの代わりに「さんそを出す石」(下記リンク参照)という製品を購入し、各容器に1つずつ入れた。しかし、タッパーだとすぐにフタが外れたり、高さが取れないから貝たちの移動にも差し支えたり、管理もかなり面倒だったりといった問題があり、11月の初めに今使っているダイソーの1.5Lのキャンディー入れのようなガラス製のボトルを1つ購入し、一部の貝だけをそこに入れた。フタは赤いプラスチック製である。





しばらく様子を見て調子がいいようだったので11月中旬に同じボトルをさらに2つ購入し、タッパーに入っていた貝も含め、ほぼ全部の貝を3つのボトルに分けて入れるようになった。できればダイソーで売っていた梅酒のボトル(3Lか4Lのもの)を使って、全ての貝を1つにまとめたかったのだが、梅酒のボトルはたいていポツポツ模様などがついていて、そのせいでガラスに張り付いている様子が全く観察できないことに気づき、断念。当時はオオコシダカガンガラやコシダカガンガラ、クボガイなどもいて大所帯だったので、1つのボトルに10数匹ずつ入れたと思う。毎回の「点呼」のために容器に小さなシールを貼り、中に入っている貝の数を書くようにし始めたのもこの頃だった。

当初、3つのボトルにはそれぞれ別々の種類の貝を混ぜて入れていた。しかし、どうもマツたちタマキビグループとイシダタミグループの間に険悪な雰囲気が漂うようになってきた。狭い水槽の中でお互いに関わり合いを持たないように、エリアを分けて無理に生活しているような節が見られた。貝にもいろいろ人間関係ならぬ「貝間関係(?)」があるようだと気づき、種類ごとにボトルを分けることを考え始めた。12月の初め頃には、オオコシダカガンガラ、コシダカガンガラ、クボガイなどは私がまだエサを適切に与えられなかったせいでみんな死んでしまった。そして、現在も飼っているタマキビ、アラレタマキビ、スガイ、イシダタミの4種類となってしまった。そこで、これを機会にボトル毎に貝の種類を分けるようにした。種類別に分けておいたほうが、うまく行けば繁殖も期待できるのでは?という考えもあった。タマキビとアラレタマキビは1つの種類と考えて一緒にしたので、ボトルは3つで足りた。

各ボトル内には、奥能登の海岸でデトリタスや藻がついている岩をセレクトして拾ってきたものを入れている。最初はただボトルの中に入りそうな岩を適当に組み合わせて入れるだけだったが、そのうちそれぞれの貝の特性に合わせた岩組みを考えるようになってきた。まだ試行錯誤の途中ではあるが、例えばタマキビ・アラレタマキビは水を嫌うから、できるだけ岩組みを高くして休めるところを多く作ってある。スガイは潜って隠れるところを必要とするので、岩をできるだけ複雑に組み合わせて穴のような場所を用意してある。ただし、これはまだうまく行っているとは言えない。そして、イシダタミは水中にいる時間が長いのと、底砂のサンゴ砂に付着したデトリタスを好んで食べるので、岩組みは最低限にして水を多めに入れ、中をあちこち移動できるように工夫してある。

ボトルの区別をつけるために、各ボトルにはフタと容器本体にそれぞれ番号が振ってある。ときどきボトルまるごと貝の種類を入れ替えることがあるので、番号が分かっていると管理がしやすい。例えば本日時点では、#1がスガイ用、#2がタマキビ・アラレタマキビ用、#3がイシダタミ用となっている。なお、#1は最初に買ったボトルで、#2と#3は後から買い足した分である。ボトルを使い続けた期間によって、水槽の安定に欠かせないバクテリアの繁殖にも差が出るから、特に最初の頃は各ボトルの導入時期の区別もしっかりつけておく必要があり、番号はそのためにも役立った。

今後、できれば飼育用容器は大きめのものに1つにまとめたいという希望がある。広ければ住み分けもできるので、グループ間の対立も気にしなくてよいはずだ。実際、奥能登の海岸ではみんな一緒に生活しているのだから。しかし、複数のボトルに分けておくとよいこともある。1つのボトルが不安定になったとき、緊急避難的にその中の貝たちを安定した別のボトルに移して休ませることができるからである。

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