最後のスガイ、さよなら。

先月29日に遠方に出かける頃から元気のなくなっていた、最後のスガイの死亡を確認した。最後までスガイたちの本当に好きな食べ物や環境を見つけてやれなかったことが、とても悲しく、残念である。

先月30日に帰宅した時点では、元気がないながらも、光を当てるとフタを閉じるなどの反応があり、生きようという気力も見られたのだが、ここ数日はフタを開いて顔とお腹を出したまま微動だにしない状態が続いていた。昨日、水を取り替えたばかりなのにもかかわらず、マツたち他の貝がボトルの上部に上がってきていたので、ひょっとして?という思いがあり、そのスガイだけ整えておいた別ボトルに移して様子を見た。今日になって、かなりの異臭が漂うようになり、その死を認めざるを得なかった。マツたちは、一歩先にその異臭に気づいていたようだ。

巻貝はめったに顔やお腹を出したまま死ぬことはない。フタを閉じてこもりっきりになり、そのまま弱って死んでしまうパターンが多い。そのフタをこじ開けようとしても、ほとんどの場合無理だ。しかし、過去には長老がお腹を出したまま死んだ例がある。長老は本当に自然体で死んでいったから、それを考えると、この最後のスガイもまた寿命だったのかなと思う。長老のときは顔を見ることはできなかったが、このスガイは顔もすべて出したままで息絶えていた。目がいつの間にか濁って目立たなくなっており、目を見れば生死もある程度判別できることを改めて知った。光を当てても、もうフタを閉めることはなかった。人間も生死の判定に瞳孔反射を見るが、それと似たようなものかもしれない。

持ち上げたまま逆さにすると、フタがパタリと閉まってしまう。しかし、また元の位置に戻すと、フタがパカッと開いて顔とお腹が出て来る。本当に生きているそのまんまで死んでいった感じだ。その姿を見ていると、最後までよく頑張ってくれたなと思う。弱り始めてからも一生懸命口をガラスにくっつけて貼り付く努力をしていたのも見ているから、なおさらだ。巻貝は弱ってくると口を前に出すことが難しくなる。口を前に出すことさえできれば、どこかに貼り付くこともできるし、もちろん食べ物も食べられるのだが、それが難しくなるから余計弱るという悪循環に陥り、やがて死んでしまう。

スガイのいなくなった水槽には、マツたちタマキビとイシダタミ、そしてアラレタマキビだけが残された。だが、実はこのアラレタマキビもどうやら同じ時期に死んでしまっているかもしれず、様子見状態が続いている。アラレタマキビは体が小さいせいなのか、死んでも中身が腐って出てきたり、悪臭を立てたりということがあまりない。干からびるような感じでそのまま動かなくなってしまう。旅行前後に頻繁に岩から落ちていたが、この子もやはり寿命だったのかもしれない・・・

マツたちタマキビは暑い、暑いと言いながらも(口で言うわけではないが、その態度で言う)、元気にたくましく生活している。イシダタミは相変わらずエサの面での不安が拭えないが、個体数が少ないせいか何とかそこそこ食べてくれているようなので、このまま元気にいてくれるといいと思う。

<現在の水槽状況>
#1:スガイ1匹(死亡確定)
#2:タマキビ5匹、イシダタミ3匹、アラレタマキビ1匹(経過観察中)
#3:イシダタミ1匹(死亡確定)

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