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命の値段!? 勧められて「フローティングベスト」なるものを購入。

7月の初め、和歌山に行こうかと思っている最中に、結果的にあの大水害をもたらすきっかけとなった台風がやってきた。和歌山に直撃はしないだろうとは言われていたものの、私の目的の一つは和歌山の巻貝たちとの磯での交流(?)のため、強風や高波があると危険なので不安だった。 現地の観光施設の方々に状況を聞きまくり、果ては和歌山の気象台にまで電話をしてしまった。(ご迷惑おかけしました・・・) その時、和歌山の気象台の方が、 「悪天候の心配をするくらいなら、ライフジャケットを1枚買う方がよっぽどいいですよ。これからも磯の観察を続けるつもりなら、ぜひ買って下さい。海に転落した時に怖いのは、頭を打って気を失うことです。ライフジャケットがあれば嫌でも浮きますから、安心ですよ」 と親切に勧めて下さった。 素人の無知とは恐ろしいもので、私の脳裏にはそれまで「ライフジャケット」などという文字はかすめることすらしなかった。自慢には全くならないが、私の辞書には全く存在しない単語だったと言ってよい。 だが、運動神経ゼロで、日常的に平地を歩くのですら危なっかしく、他の人なら何ともないような状況下で複数回遭難しかけた経験を持つ私のことであるから、滑りやすく、時に高さもある岩場で、突風にでも煽られたらひとたまりもないのは明らかなのであった。少し考えれば分かりそうなことなのに、これまで全く気づかずにいた自分が情けナイ。 いろいろ調べるうち、私の用途には文字通りの「ライフジャケット」そのものはあまり適さないということが分かってきた。「ライフジャケット」という言葉は、文字通りの「ライフジャケット」を表すだけでなく、「フローティングベスト」も合わせての総称として使われることがあるから、少々紛らわしい。 文字通りの「ライフジャケット」というのは、浮き輪のように空気の力で浮く。溺れると自動的に空気が入って膨らんでくれるので、膨張式と呼ばれる。しかし、磯のゴツゴツした岩場で作業する人の場合、これだと穴が開いてしまっていざという時に役立たずとなる恐れがあるそうだ。 そこで登場するのが、固定式と呼ばれる「フローティングベスト」である。最初から浮力材が入っていて、それ自体に浮力があるために岩場でちょっと傷ついたくらいでは問題がない。 調べてみると、夏休みの水難事故のニュースが多いせいなのか、子ども

マツの落下事故(2)

さて、 《マツの落下事故(1)》 の続きである。 最初の落下事故から1ヶ月と少したった7月9日、再び全く同じことが起きた。こともあろうに私の目の前であった。 その日、朝のあいさつ(といっても、私にとっての「朝」は昼近いのだが)をしようと私がマツたちのボトルのフタを開けると、マツはお気に入りの「スーパーシート」(以前の記事参照)のうちの1つ、ボトルの端っこの岩肌につかまって爆睡していた。そこで、既に起きていた名無しちゃんと「語り合って」いたところ、マツが気配に気づいて目を覚ました。 ところが、マツは寝ぼけていたようで、頭を出そうとした途端、これまた見事にコロコロコロッと底まで落ちてしまったのである。その場所が、何とこの前と同じ場所!! 私はマツが自分で起き上がれるかどうか、今すぐ助け出したい気持ちを抑え、心を鬼にして15分ほどじっと様子を見守った。 マツは最初は元気よく暴れていたが、そのうち疲れたのか、途中からお腹も次第にすぼみ気味になり、あまり動かなくなってきてしまった。この前、銚子から帰った時は、まさにこの状態。もしこれが私の長期旅行中だったら、命に差し支えることも十分あっただろう。危ない、危ない・・・ マツは一生懸命手(いや、足? 腹?)を伸ばして、どこかにつかまれないかと頑張ってはいたのだが、全身を出してみてもこのポイントに落ちてしまうとどこにも届かないのであった。この前敷いた粗目のサンゴ砂も量が足りなかったのだろうか、空間を上手に埋め切れてはいなかった。 小さい巻貝なら体が軽いので、そうやってもがいているうちに何かの拍子に寝返りを打つことができて起き上がることもあるだろうが、「メタボ重量級」のマツには至難の業のようだ。重量があるので、粗目のサンゴ砂の間に埋まってしまって、うまく転がらないのだ。 この前敷いたサンゴ砂の残りを持ってきて、大きめの形の不揃いのものをもがいているマツの周りに置いてはみたものの、後から置いてもマツが埋まってしまうだけで、とてもつかまれそうにはなく、効果なしだった。 仕方がないのでマツをつまみ上げてお説教。だが、マツはすっかり私に助けてもらうのが前提みたいな感じで、さんざんもがいて元気がなかったはずなのに、私につままれた途端、全力で元気アピール。私が叱るためにおでこのあたりをピンと指でたたいても、 「ど

マツの落下事故(1)

5月の末に千葉県の銚子に一泊旅行に出かけた。一泊であれば、それほどマツたちを留守番させることに抵抗はない。たしかエサも入れたままで出かけたと思う。実際には現地で帰りが遅くなり、事実上二泊で三日目の早朝に帰宅したのだが・・・点呼を取ると明らかに一匹足りない。誰だ?と思って考えたら、マツではないか! 慌ててボトルの中を探してみると、マツはボトルの底の岩と岩との間にできた広い空間に、背中から落ちたまま起き上がれなくなっていた。じっとしているので、死んでしまったかと青くなって慌ててつまみ出すと、ゆっくりと顔を出すマツ。生きていてくれてよかった。ボトルに戻すと、いつも通りにふてぶてしく、すました顔で歩き回っている。 ほっとすると同時に、何でこんなところに落ちていたのか、短い旅行の間にこれでは、夏に予定している長期旅行になんかとても行かれない!と、私は青ざめた。岩につかまって寝ていて、何かの拍子にうっかり落ちてしまい、その落ちた場所が悪くて起き上がれなかったのだろうとは思うが、現場を見ていないので想像の域を出ず、不安が募った。 それから1週間くらい、マツが私と顔を合わせる度にモーレツに「説教」されまくったことは言うまでも(?)ない。しまいにはマツは、ボトルのフタを開けて私がのぞき込むと、「また説教されるのか・・・」と、ウンザリした顔(=目)をするようになった。どうやら「まずかったな」と、反省(?)はしている様子ではあるが。やれやれ。 それはともかく、これからもこういう「うっかり」落下事故が発生するおそれがあるわけだから、それに備えてどういう対策をするかを考えなければならなくなった。岩組みの関係でかなり大きな空間が開けている場所は、実際の海ならたくさんある。 だから私は、むしろこの空間はマツたちの散策にはよいと思っていた。だが、ボトルの中は海と違って静止水。つまり、波や潮の満ち引きが全くない。巻貝たちのあの形は、波や潮の満ち引きさえあれば、転がって逆さになってもちゃんと自分で起き上がれるようにできているのだ。自然は偉大だ。よく考えられている。 だが、それだけに、人工的なボトルの中では、一度転んだら自力で起き上がれない確率は高まる。したがって、極端な空間はできるだけ埋め、いざという時にマツたちが手(いや、足?)を伸ばしてつかまれるような状態にしておかないとい