お世話用の道具たち

マツたちと一緒に暮らすために必要な、大切な道具たちをリストアップしてみた。できるだけお金をかけず、かつ、マツたちの負担が少なくなるようにセレクトしている。これから巻貝を飼ってみよう!という酔狂な方々にとって、少しでもご参考になれば。

・割り箸
おそらく最も活躍している道具はこれ。エサをボトルの中に入れてやる時、ボトルの中にゴミが浮いているのを発見して取り除く時、うっかり転げ落ちて逆さまになってもがいている巻貝をレスキューする時・・・などなど、これがなくては毎日の巻貝との暮らしは全く成り立たないほど大切な道具。割り箸の利点は、貝たちの身体を傷つけるリスクが少ないということだ。ピンセットなんて使おうものなら、やわらかい身の部分を容易に傷つけてしまうおそれがある。
初期の頃は、お世話用に使った箸をそこらに置いておいて、うっかりヌシが自分のご飯を食べる時に間違ってその箸を使ってしまう・・・ことがよくあった。かわいいマツたちを触った箸だから、それで特段問題が起きるわけではない(・・・フンもついているのがアレだが)。しかし、ヌシの食事に入っていた脂肪分などがボトルに入るのはよくないので、ある時期からは目立つように赤のマジックペンで印をつけて、専用の割り箸とした。もう1年くらい使っている。汚れの目立つ時に、たまに熱めのお湯で洗う程度で、ずっと問題なし。

・ジップロックなどの食品コンテナ(大、中、小)
解凍したり、干した海藻を戻す時には小が活躍。具合の悪い貝が出たり、一時的に車で連れて歩いたり、人間と暮らしてもいいかな?と思ってくれる巻貝を海で「スカウト」するときには、中が活躍。小数の巻貝なら、中のコンテナでずっと買うことも可能。水替えの時に岩組みをボトルから一時的に出すのには、大が便利。岩組みの形の覚えられないヌシにとっては、ボトルと同じ状態で岩組みを置いておけるから、戻す時に混乱しなくて済む。

・2Lのペットボトルと&ケース箱
海水の保管に便利。小分けにして使えるから、海水が傷みにくい。人工海水などもこれで作っておくとよい。天然海水は冷暗所で保管すると半年はもつ。

・フリーザーバッグ
ジッパーで密封できるタイプの食品冷凍用の袋。マツたちの大切なエサである海藻を冷凍したり、乾燥させたものを保管する時に活用している。日付などが書ける白い欄のついているものが便利。これがないと、マジックで書き込んだ文字が冷蔵庫の中でどんどん消えてしまう。エサを保管する際は、海藻の種類、入手の時期、場所、冷凍したり干したりして加工した時期を必ず明記している。海藻が能登のどこの地域で採れたものなのかも明記。同じ種類の海藻でも、地域によってマツたちの好みが分かれるからだ。

・水用ポンプ
ダイソーで購入。いわゆる灯油用のポンプだが、シュコシュコする部分が赤ではなくて、透明になっている。これにより、いちいち岩組みをどけなくても換水が可能になり、不器用なヌシはどれだけ助けられたか分からないが、小さなボトルには少々大きすぎるという困った面があり、また、底砂のサンゴ砂も吸い込んで詰まってしまうことが増え、現在はお蔵入り。

・ジャンボスポイト
ダイソーで購入。そのままの名前で売られている。水用ポンプが大きすぎたので、石油ファンヒーターのシーズン終わりに本体の中に残った灯油を吸い取るための大きなスポイトを使うことにした。これが大成功で、実際、このような用途も想定して作られた製品らしく、パッケージには「水槽のお手入れにも使えます」と書かれている。ボトルの底に落ちた、マツたちの食べ残しのエサを吸い取ったり、サンゴ砂の奥のほうの汚れを取るのにも便利である。もはや日々のお世話の必需品のため、予備のスポイトも購入した。石油ファンヒーター用であるから、夏には店頭に並ばなくなるおそれがあるため。

・土壌用酸度測定液(アースチェック液)
園芸用の土の酸度を測るための試薬だが、アクアリウムに使っている人がいると知ったので購入。ホームセンターで600円か700円と手軽。本当は飼育水を2.5㏄必要とするのだが、毎回ボトルからそんなに採取するのは大変なので、私の勝手な判断で約3分の1の量の0.8CC強とし、試薬を3滴垂らすところを1滴にしてケチっている。これで十分正しい値は得られていると感じている。小さな試験管がついていて、ここで飼育水と試薬をシェイクし、色見本と見比べて大体のpH値が分かる仕組み。初期の頃はなかなか十分なアルカリ度にならず苦労したが、ボトルを使い込んでいくにつれ、今は安定してpH値7.5位を保っている。pH値は海の生き物にとって死活問題だ。目に見えない世界だからこそ、時々これでチェックすることは必須。

・光学式塩分濃度計
マツたちの飼育には大げさだろうかと、悩みに悩んで購入した。普通に買うと結構高価だが、この時はラッキーにも中国製の2000円位の商品をネットで見つけたので、決心が固まった。使ってみるととても便利である。スポイトで飼育水を1滴垂らすだけですぐに塩分濃度が分かる。私が能登の海岸の塩分濃度をこれで測っているのを見た塩田の親方も、ちょっと羨ましそうであった。(残念ながら塩田では30%近くまで塩分濃度を上げるので、これに対応した製品は安価には売られていない) 基本的に磯の巻貝は多少の海水の濃淡には影響されないが、長期的に安定して飼育するならばできるだけ基本的な濃度に設定しておくのがよい。人工海水を作る時にも大変重宝している。


・学童用スポイト
誰もが小学校で使ったことのある、書道などで使われる小さなスポイトである。水槽にちょっとゴミが浮かんでいる時に吸い取ったり、水のpH値を調べる時に数滴だけ飼育水を必要とする時に使ったりするが、メインの用途は何故か「マツたちのシャワー用」である。元気のない貝の看病をする時は、貝にとって欠かせない潤いを保つために、時々これでシャワーをしてやる。また、体の構造上、彼らはどうしても糞をつけたままになりやすいので、それを時々洗い流してやるのにも、シャワーは欠かせない。いろいろと活用できるので、たくさん持っておいても損はない。100均では10本セットらしいが、私はホームセンターで2本で100円くらいで購入した。

・エアコン
ボトルで飼育する場合は、やはりエアコンは必須。巻貝たちは高温に弱い。地上にいる時間も長いので、空気を冷やすことがとても大切。

・TEGARU(ペルチェ式水温コントローラー)
エアコンと併用が必要だが、20Lくらいまでの水量なら確実に1年を通じて温度調整してくれる。これを導入してから、マツたちの体調は見違えるほど安定した。

・ジェックス「サイクル」

・さんその出る石

・マルチ水温計

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