「おしくらまんじゅう」

今夜の東京はかなり冷え込んでいる。
夜更かしをしていて、うっかりマツたちのボトルの入った大きな水槽に銀シートをかぶせていないことに気づいた。

この頃は温度差をできるだけなくすため、夏の頃から取り付けている水槽周りの銀シートに加え、夜間は窓のところに二重にした銀シートをカーテンの上からぶら下げ、さらにダメ押しのように水槽の上から銀シートを1枚かぶせているのだ。

銀シートをかぶせ忘れたので、寒いのではないかと心配になってボトルの中を覗きにいってみると、マツたちは寒い時期に恒例(?)の「おしくらまんじゅう」をやっていた。巻貝たちに人間のような「体温」はないと思うのだが、寒いとみんなで固まって寒さをしのぐのは人間やよく見る動物たちとあまり変わらない。

それが、外からの風を防ぐための習性なのか、たとえ巻貝であってもみんなで固まっていると少しは温かいと感じるのか、どういう理由でなのかはまだ今ひとつよく分からずにいる。

ボトルのフタを開けた途端、ミドリがこっちを見て、必死で身を乗り出してアピールしていた。ここ数日、マツはちょっと体調を崩したのかおとなしめだったが、ミドリはとても元気で、何かにつけて私にしっかりと自己主張をしてきていた。もちろん今回のアピールは「寒いよ!寒いよ!」であろう。

私ですら、窓際でパソコンをやっていて急な冷え込みにびっくりしたほどだから、当然である。私の部屋にボトルを持ってきて、軽く暖房を効かせたところで休ませようかとも思ったが、今までずっとTEGARU(テガル)の水温管理下に置いているので、急激な変化はないほうがよいと判断し、忘れていた銀シートを上からかけてやった。

温度計の数値を見る限り、今日の水槽内の最高気温は23度台。最低気温は19度台。一方、TEGARUによってコントロールされている水温は20度設定で、最高21度台、最低19度台である。ざっくり考えて、気温の4度差をTEGARUが2度差まで調節してくれていると考えてよいだろう。

マツは去年の今頃にも、ちょっと体調を崩して、随分心配したものだ。マツは大きい図体の割には寒いのが大嫌いである。他の貝たちが元気に動き回っていても、寒い日はマツだけは嫌いなはずの水の中でじっとしていたり、自分の居心地のよいお決まりの場所を見つけて、そこで微動だにしない。

こんな風な巻貝たちの体調不良を、私は勝手に「風邪」と名づけている。まあ、人間で言えば風邪を引くのと同じようなものであろうから。「風邪」気味だったマツだが、今日一日、私が留守にしている間に、よく食べて、よく寝て、だいぶ復活したようだ。まだ本調子ではないようなので、この厳しい寒さが堪えないといいのだが。

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