投稿

12月, 2017の投稿を表示しています

マツの「スーパーシート」

マツにはお気に入りの場所がある。私はこれを「スーパーシート」と勝手に名づけた。餌場からかなり離れたところなのだが、マツは休憩するときはわざわざそこまで移動する。大きな岩と小さな岩がぶつかっている境目のところだ。マツは大きな岩のほうにしっかりと張り付いて、お尻(クルクル巻いた貝殻の頂点)を小さな岩の上にチョコンと置くスタイルで、昼寝をしたり、ボーッとしたりと、自由にくつろいでいる。 マツはどうしてこんなに大きくなったのかと不思議なのだが、とにかく一人だけ体がデカイ。食べ過ぎなのか、私のエサのセレクトがよいのか(?)、人間で言えばかなり「メタボ」状態であることは確かである。だからどこへ行くにも「どっこいしょ」といった風で、ノッソリノッソリと歩く。そんなマツにとって、お尻を安定させられるこの場所は、重力の負担が少なく、かなり楽に過ごせるのではないだろうか。 「さあて、ご飯も食べたし、寝ようかな」と、いつものお気に入りの場所に向かって、当然のように歩き出すマツの姿は実に手慣れたものである。巻貝はもっと適当に、その日暮らしの偶然に頼った場所で生活していると思っていたが、このように人間と同じく「生活習慣」があるようだということを、最近になってマツに教えられた。

「寒がりマツ」

マツは体が大きいくせに寒がりだ。去年の冬も気温が低いとあからさまに機嫌が悪くなり、微動だにしないのはマツだけだった。他の貝たちは、寒いと多少動きが鈍くなるくらいで、そこまで不機嫌にはならない。 自然界の場合、基本的には水中のほうが温度が高いから、マツは寒い日は一人で(いや、「一匹」で・・・というか、いや、やっぱり「一人」で・・・)ブクブクと水中に潜って、じーっとしている。タマキビは本当は水が苦手なはずなのだが、それでもあえて水中に潜るのだから、よほど寒いのが苦手なのだろう。 今年もそんな日が増えてきた。