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ヤンチャの身体測定

ヤンチャがマツたちの#2に戻ってから1週間強になるが、元気にやっている様子だ。ヤンチャのいない1ヶ月の間に、#2には随分茶色の藻が生えたので、それをきれいにしてくれている。 このところ成長著しいヤンチャだが、今までマツの身体測定はしたことがあっても、ヤンチャに対してはしたことがなかった。そこで、先ほど換水のタイミングで計測してみた。と言っても、貝の正式な測り方はよく分からないし、特別な道具も持っていないから、またまたダイソーの学童用の目盛りの見やすい定規を使って、殻の部分をタテとヨコに測っただけである。 タテ、つまり、おでこからおしりの部分にかけては、約12ミリであり、ヨコ、つまり、真ん中辺りの幅の部分は、約10ミリだった。最近、おでこの辺りに新しい貝殻がニョキニョキと生えて(?)きたから、タテの部分は随分と伸びているはずである。 ヤンチャは一昨年の11月の末だったか、12月の初めだったか、まだ赤ちゃんの頃に私のところに連れてこられた。定規の目盛りを見ながら思い出すに、当時はまだ6~7ミリの大きさだった。小さい頃はあまり殻の高さもなく、タテとヨコの幅の差もあまりなく、平たいUFOみたいな感じで、まん丸に近かった。小さすぎて、換水の度につまみ出すのにも一苦労だった。 小さいイシダタミは長く飼育するのが難しいと、本(岩崎哲也『磯の生物――飼育と観察ガイド』(文一総合出版,2005年))には書かれていたので、随分心配した。しかし、ヤンチャは立派に成長してくれた。もちろん、死んでしまったヤンチャと「同期」の赤ちゃん貝もいたが、赤ちゃん貝だからといって特段に大人の貝よりも弱いとは、私の飼育環境下では感じていない。

ヤンチャの「帰還」騒動(?)

《ヤンチャを「アルバイト」に出す。》 の記事から、ちょうど1ヶ月である。その後どうなっただろう?と思われた読者の方もいらっしゃったかもしれない。 ヤンチャは#3のボトルで元気に1ヶ月生活し、たった一人(一匹ではない、一人である)でボトルのガラス面および岩の表面を文字通り・・・ ピッカピカ☆ にしてしまった。そして、ここ1週間ほどは、あまり食べる藻がなくなったせいか、若干また痩せてきた。このままではマズイ!!と思った。これはあくまで私の経験による感触でしかないのだが、お腹の部分が少し透けたようになってくると、食べ物が不十分だというサインではないか、と感じている。 イシダタミの場合は、お腹の部分にある、移動するための足代わりの「線」のようなものが、マツたちタマキビよりもきめ細かく大量についている(だから、歩くのもタマキビの何倍も速い)のだが、痩せてお腹の部分が透けてくるとこの「線」が痛々しく見えてくるから、こちらも焦る。 一方、気づけば、ヤンチャがいなくなったマツたちの#2のボトルは、藻がまた生えだして中がよく見えない状態になっているではないか。春にはマツたちタマキビにも、ガラスに生えた藻を盛んに食べたがる時期が少しだけあるのだが、それを過ぎればもうガラスの掃除は自発的にはしてくれないのだ。基本的に、人間の目から見れば「ナマケモノ」なのである。 ・・・というわけで、つい先ほど、真夜中になって日付も変わってから、ヤンチャを#2に「帰還」させた。一応、大事を取って「水合わせ」も簡易的に行った。 実はヤンチャは藻がなくてお腹が空いているにもかかわらず、「帰還」にはあまり気乗りがしないようだった。ヤンチャをつまみ出そうとすると、私の指が入らないような狭い岩陰に隠れてなかなか協力してくれなかったので、大変手こずった。 結局、1時間か2時間か、相当な時間をかけて「対話」の上で、ようやく説得(?)した。あちこちを走り回るのが大好きなヤンチャにしてみれば、1センチにも満たないような小さな体で1.5Lのボトルを独り占めできるのは、あまりにも開放的で楽しく、そこを離れるのが名残惜しかったのかもしれない。 既に夜中の3時近くになっており、マツはとっくに眠っていたが、わざわざ叩き起こして、ヤンチャが帰ってくるからいじめるなよ!と念押しした。マツは、最初のうちは

ソーセージパン

このところ仕事で夜遅くなることが多く、そうするとどうしても夕食は簡易的に済ませられるものばかりになる。一応、残っていたご飯を温め、予定していたレトルト系のものを食べたが、どうにも簡素で満腹感が得られず、明朝のためにと買ってきたウインナーソーセージをはさんだパンを食べることにした。 パンを温めながら、お茶を入れようとお湯を沸かしたりもしていたので、それを待っている間、今日も涼しいからと、ふれあいの時間を増やすために、TEGARU(テガル)導入以来あまり機会がないのだが、マツのボトルを寝室に持ってきていた。 ソーセージパンが温まり、お茶も入れて、部屋に戻り、ボトルの前でソーセージパンを食べようとすると・・・ボトルのガラスに張り付いて、じっとこっちを見ていたマツが、何やら興味津々な様子。 試しにパンをマツのすぐ目の前まで持っていくと、お得意の「首かしげポーズ」が飛び出した。このポーズを取る時は、マツが何かに興味を強く持ったり、誰かの関心を引きたかったりする時である。 さすがに食べたそうではなかったが、嗅覚が優れているから匂いはしただろうし、嫌がるどころか身を乗り出しているところを見ると、「何だか海藻とは随分違うけど、これはこれでおいしそうだなあ。ヌシは面白いものを食べるなあ」とでも思っている風である。 ふと気づけば、寒いせいなのかボトルの奥に潜ってしまって行方不明だった名無しちゃん(当初ミドリだと思っていたが、ミドリは別のところにいた)までもが、ソーセージパンに興味を示してすぐそばまで寄ってきているではないか! これは偶然とは思えない。 巻貝たちにソーセージパンを食べさせる勇気はないが、彼らが何らかの形で興味を持ち、それなりにおいしそうだなと感じ、それをうまそうに食べるヌシをじっと観察しているのは確かであった。実際、私がパンを食べ終わると、マツは宙返りして後ろの岩に張り付いて、どこかへ行ってしまったのである。

「未知の生命との出会い」という楽しみ

マツたちを飼い始めてから、思わぬところに思わぬ生命を発見して、驚かされたことが結構ある。特に能登の海から拾ってきたたくさんの岩には、隠れた生命がたくさん含まれているようだ。人工の環境下に持ってきてもう1年以上もたつというのに、この岩たちが飼育環境を思わぬ生命で豊かにしてくれている。長い海藻のようなものが岩から生えたり、稚貝が生まれて大きな水槽の表面に付いているのを見たりした時には、感動ものであった。 先ほど、寝る前の点呼を取るためにヤンチャの入った#3のボトルを取り出すと、ボトルの表面で何か不自然な動きが目に入った。ボトルは普段、大きな水槽の中に入れてあって、そこから間接的にTEGARUを通じて水温管理されている。だから、ボトルを取り出すと水で濡れているのだが、水の動きと考えるにはどう見ても無理のある動きをしているのである。よく見るとボトルの表面のそこここに、無数の小さくて形も見えない「何か」が小刻みに動いているではないか! 虫眼鏡もなかったので、それ以上は丁寧に見ることができなかったが、これはプランクトンなのだろうか? 貝の幼生もまたプランクトン状態なので、その可能性も否定できない。このまま放置しておいて育つとはとても思えないが、水槽に隠された間接的には明らかに能登の海とつながっている「未知の生命」との出会いには毎度ワクワクさせられる。ほとんど手入れをしていないこの大きな水槽の中にも、このような生命が元気に存在しているということは、全体の環境が良好であることを示しているので一安心である。 ↓2年目のTEGARU。小さくて頼りなく見えるが、「未知の生命」もこれで維持されていたのである。