マツの落下事故(1)

5月の末に千葉県の銚子に一泊旅行に出かけた。一泊であれば、それほどマツたちを留守番させることに抵抗はない。たしかエサも入れたままで出かけたと思う。実際には現地で帰りが遅くなり、事実上二泊で三日目の早朝に帰宅したのだが・・・点呼を取ると明らかに一匹足りない。誰だ?と思って考えたら、マツではないか!

慌ててボトルの中を探してみると、マツはボトルの底の岩と岩との間にできた広い空間に、背中から落ちたまま起き上がれなくなっていた。じっとしているので、死んでしまったかと青くなって慌ててつまみ出すと、ゆっくりと顔を出すマツ。生きていてくれてよかった。ボトルに戻すと、いつも通りにふてぶてしく、すました顔で歩き回っている。

ほっとすると同時に、何でこんなところに落ちていたのか、短い旅行の間にこれでは、夏に予定している長期旅行になんかとても行かれない!と、私は青ざめた。岩につかまって寝ていて、何かの拍子にうっかり落ちてしまい、その落ちた場所が悪くて起き上がれなかったのだろうとは思うが、現場を見ていないので想像の域を出ず、不安が募った。

それから1週間くらい、マツが私と顔を合わせる度にモーレツに「説教」されまくったことは言うまでも(?)ない。しまいにはマツは、ボトルのフタを開けて私がのぞき込むと、「また説教されるのか・・・」と、ウンザリした顔(=目)をするようになった。どうやら「まずかったな」と、反省(?)はしている様子ではあるが。やれやれ。

それはともかく、これからもこういう「うっかり」落下事故が発生するおそれがあるわけだから、それに備えてどういう対策をするかを考えなければならなくなった。岩組みの関係でかなり大きな空間が開けている場所は、実際の海ならたくさんある。

だから私は、むしろこの空間はマツたちの散策にはよいと思っていた。だが、ボトルの中は海と違って静止水。つまり、波や潮の満ち引きが全くない。巻貝たちのあの形は、波や潮の満ち引きさえあれば、転がって逆さになってもちゃんと自分で起き上がれるようにできているのだ。自然は偉大だ。よく考えられている。

だが、それだけに、人工的なボトルの中では、一度転んだら自力で起き上がれない確率は高まる。したがって、極端な空間はできるだけ埋め、いざという時にマツたちが手(いや、足?)を伸ばしてつかまれるような状態にしておかないといけない。

空間を埋めるためには岩が一番よいが、能登の海で拾ってきた岩はいろいろあるものの、普段は大きな水槽の中に入っているため、藻も生えてしまっていてなかなかすぐに使うことはできそうにない。

そこで、サンゴ砂の粗目のものを使ってみることにした。小石くらいのさまざまな形をしたものだから、これならいざ転んでも、どこかにつかまって起き上がることはできるだろうと考えた。

ところが、これで騒動は終わらなかった。それから1ヶ月と少したった先日、7月9日、再び事故が起きたのである。しかも私の目の前で・・・(つづく)

私が初期の頃から愛用しているサンゴ砂シリーズ。
全国どこでも確実に手に入る普及品。
今回使ったのは20番の極粗目。
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