構想中の水槽システム――誰に相談しても分からない!!

この前奥能登に出かけたとき、マツたちに食べさせる海藻とともに持ち帰ったのは、揚げ浜塩田の親方から譲っていただいた「水槽のようなもの」である。タテ44センチ、ヨコ44センチ、高さ34センチのアクリル板の容器なのだが、何に使われていたのかは不明。親方が徹夜で塩を釜で炊き上げるときに休む小屋の前にいつの間にか捨てられていて、親方も持て余していたとのこと。雨水でドロドロになっていたが、塩田の大きな水道で軽く洗ってみるとけっこうきれいになったし、小さな私の車にもギリギリで載せられたので、ありがたくいただいて帰ってきた。

同時に、マツたちの水槽に入れてやるための藻のついた岩(ライブロック)も奥能登の海岸で拾ってきた。ライブロックは生体と同じように扱わなければ、デッドロックになってしまう。以前、拾ってきたときは、梅酒用のビンに海水を入れてその中で保管していたのだが、水流がないのでどうもよろしくない。今はまだ気温が低いからいいが、夏になったら真っ黒になって完全に駄目になってしまうだろうと専門家から言われたので、少しばかり無い知恵をしぼってみた。

親方からいただいた容器にサンゴ砂を薄く敷いて、その上にライブロックを置く。44×44ならちょうどいい面積である。そこに、ライブロックがちょうどかぶるくらいの高さ(せいぜい15~20センチ程度)まで、天然または人工の海水を入れる。水流ポンプを入れて、水を循環させる。循環させることによって、間接的に軽くエアレーション(=空気を混ぜ込む)も狙う。そして、夏真っ盛りになったら、このポンプに水槽用の冷却装置を取り付ける。冷たい海水が回っているこの水槽の岩の間に、マツたちのボトルを置いてやることによって、ボトル内の水温低下も期待できる。

システム的には一応成り立っていると、アクアリウムショップの店員さんやアクアリウム用品のメーカーの方からは言われた。だが、問題はその「さじ加減」だ。水流ポンプと一口に言っても、いろいろな強さのものがある。44×44の水槽は決して大きなものではないから、あまり強いものを選ぶと洗濯機のような状態になってしまう。岩に藻を生やしたいのなら、あまり強い水流はかえって逆効果である。一方、水槽用の冷却装置を付けるなら、ある程度の水流があったほうがよい。そしてこの「ある程度」の水流の度合いも、ペルチェ式という安価で補助的な冷却装置にするか、チラー式という冷蔵庫などにも使われている本格的な冷却装置にするかでも随分変わってくる。

要はシステム全体のトータルバランスを上手に取らないと、設計としては合格でも、実際には機能しないということが十分あり得るのだ。44×44の水槽にそんなに少なくしか水を入れないなんてことは通常はまずやらないから、誰に聞いてもその「さじ加減」のヒントは得られないのが実情である。結局はトライ&エラーを繰り返しながら、ちょうどよいバランスを探していくしかないのだが、こうした機器はけっこう財布を圧迫する。そう何度も買い換えることはできない。私のようなビンボー人にしてみれば、何とか一発で理想のシステムを手に入れられるように、上手に買い物をすることが不可欠なのである。それはものすごいプレッシャーであり、そのせいでいまだに何も買えていない。能登から帰ってきてもう20日近くなる。ライブロックがデッドロックになってしまう前には、決断をしなければならない。

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