能登の岩に隠れたまま、東京まで連れてこられた「名もないエビ」の話。

先日、能登に1週間ほど用事があって出かけた時、奥能登の海岸でマツたちのために藻のついた岩(ライブロック)やら海藻やらを採取してきた。岩はたらいのような容器に入れて、海水を少しかけて、そのまま車で持って帰ってきたのだが、意図せず生きものが何匹か入ってきてしまったようだ。

その中の1匹が、種類もよく分からない小さなエビだった。手の上に乗せてやると、少し弱ってはいたものの元気に飛び跳ねていたので、マツたちと一緒にしても問題ないことだけ確認して、ボトルの中に入れてやった。

ところが、それからほどなくして水替えをしようとしたところ、このエビの姿がどうしても見当たらない。死んでしまったとしても死骸は残っていなければおかしいのに、いくら探しても見当たらない。底砂に潜ったのかと注意深く見てみたが、やはりいなかった。

死骸があっという間に溶けてしまったのだろうか?と、ずっと疑問に思っていたのだが、昨晩、普段、昼間にボトルを置く畳の上で干からびているところを発見した。いつもマツたちとばかり付き合っているので、「ボトルから跳ねて飛び出す」ということがあるのに思い至らなかった。たぶん、フタを開けて放置している間に、勢い余って外に跳び出し、そのまま干からびて死んでしまったのだろう。

アクシデントとは言え、せっかく奥能登から東京まで一緒に来てくれた小さな生命。きちんと世話をしてやれなかったことを、とても申し訳なく感じている。

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