飼育水は天然海水と人工海水のミックス。

飼育水には、もちろん海水を使用している。マツたちにそっくりの巻貝なのに淡水で生活している種類もいるのだから、この地球は不思議だ。

現在、海水は天然海水と人工海水を混ぜて使っている。これはまだ試行錯誤の段階で、どちらのほうが貝たちにとっていいのかははっきりと分かっていない。混ぜて使っている理由は2つある。1つは能登を離れて暮らしている以上、天然海水が常時調達できるとは限らず、使える量にも限りがあるためで、もう1つは天然海水がいざ調達できなくなったときに、突然人工海水に切り替えてマツたちの体調が狂うことを防ぐためである。つまり、普段から人工海水にもそれなりに慣れておいてもらおう、というわけだ。

天然海水は、マツたちのいた奥能登の海から直接調達している。車に大量のペットボトルを積んでいき、揚げ浜塩田の親方にもご協力いただきながら、おいしい揚げ浜塩のもとになっている海水をいただいてくるのである。

マツたちと暮らし始めたのは昨年10月末からだ。当時、私は岐阜県に仮住まいをしていたので、用事でしばしば奥能登まで出かける機会があった。だから、その度に海水を汲んでくることができた。岐阜県から奥能登までは下道で行っても片道4時間半ほどで、道もほとんど一本道のように分かりやすいから、慣れてしまうとそれほど大変ではなかった。だが、昨年暮れに東京に戻ってきてからは、今後の天然海水の調達については以前のようにはいかないと覚悟している。3月末に久しぶりに能登に出かけたが、この次に行けるのは秋だし、どんなにたくさん海水を汲んできてもきりがないので、ペットボトルに2箱だけいただいてきた。

まだ昨年に汲んだものが残っており、現在はそれを使っている。3~4ヶ月たった今でも全く問題なく使えているが、いくらきれいな奥能登の海水であっても、暑い夏に置いたままにして大丈夫かは未知数だ。したがって、最終的には完全に人工海水に切り替えざるを得ないだろう。

太平洋の海水を汲んできて試してみる価値はあると思うが、私は奥能登の魅力は太平洋と全く違ったあの海にあると感じるし、太平洋側にもマツたちと種類的には同じ貝たちがたくさん生息はしているが、その性格や生態もだいぶ違う気がしている。だから、太平洋の海水はおそらく相当違った性質を持っているだろう。マツたちの不慣れな太平洋の海水を使うよりは、ある程度平均的な成分構成となっている人工海水を使うほうが、まだ安心感がある。

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