マツの大好物(その2)
マツの大好物として以前、中国産の干しわかめを紹介したが、実はそれ以上の大・大・大好物がある。それは韓国産の乾燥ひじきだ。奥能登にいたとき、食品も扱うドラッグストアで小さなパックに入って100円くらいで売られていたものである。ヤマナカフーズの「姫ひじき」という製品だ。当時はまさか貝を飼うことになるとも思わず、もちろん自分が食べるつもりで買ったのだが、何となく水で戻すのが面倒くさくて調理しないでいた。マツに何を食べさせたらよいかとあれこれ試しているときに思い出したのが、このとき買っておいた「姫ひじき」の存在である。
ものは試しと海水でふやかしてからマツに食べさせてみると、それはそれはよく食べるので驚いた。乾燥ひじきを巻貝のエサに使えるというのは、今のところ私の知る限りでは、貝類の飼育法を書いた書籍には載っていない情報であるから、実は大発見なのでは!?と密かにほくそ笑んでいる。奥能登の海にももちろんヒジキはあるのだろうが、他の海藻類が豊富なのであまりメジャーな食材とは言えない。マツもおそらく奥能登の海では、ヒジキをメインディッシュにしていたわけではないはずだ。だから、なぜそんなにマツがヒジキを好むのかは謎である。
今飼っている貝たちの中でヒジキを目に見えてよく食べるのは、マツたちタマキビだけだ。そしてマツはその中でもダントツでこの「姫ひじき」がお気に入りである。スガイやイシダタミたちは、ヒジキにはほとんど手を付けない。たまたま私が持っていたのは「姫ひじき」なのだが、その名の通り細く短いものばかりだ。しかしどうもマツは本当は太めのひじきのほうが好きなようなので、できるだけ太めの部分を選んで入れてやっている。今度機会があったら、値段は張るだろうが、もう少し太めのひじき(いわゆる「ごんぶとひじき」)を食べさせてやろうかと思う。先日能登で手に入れてきた生の海藻類も食べてはくれるものの、どういうわけかそれでもやっぱりマツはこの韓国産の「姫ひじき」が一番好きらしいから参ってしまう。
数日前、ここのところ能登の生の海藻ばかりを食べさせていたので1ヶ月ぶりに「姫ひじき」を入れてやったところ、マツの喜びようと言ったらなかった。いつもは2~3本も入れれば十分なのだが、何本入れてやってもすぐに食べ尽くしてしまうのだ。あまりにすぐに入れたヒジキが「消える」ので、マツがその大きな貝殻に引っ掛けて下に落としてしまったのではないかとボトルの底を確認してみたが、ほとんど落ちていない。そして何よりの証拠が、マツがヒジキを食べたときに出す真っ黒な「ヒジキ色」の丸っこくてツヤツヤ&ピカピカした糞である。ヒジキを食べさせたときのこの糞はマツの健康の証でもあるが、かなり臭いがきついこともたしかである。ひじきは繊維が多いから、人間でよく言われる「宿便」でも出てくるのではないか?と勝手に想像している。
ヒジキを食べさせてやった翌日のマツは、朝からゴキゲンである。朝、ボトルのフタを開けて「マツ、おはよう」とあいさつをすると、走り(?)寄ってきてこちらの目をしっかりと見ながらツノを盛んに振っているからよく分かる。そしてそれは「もう全部食べちゃったから、もっとちょうだい♪」という意味でもある。「やれやれ・・・」と思いながらも、過保護なヌシは、ついついマツのリクエストに応じて追加のヒジキを入れてやるのだが、甘すぎるだろうか? 新しいのを入れてやると、早速マツはそのヒジキにまたかぶりつくといった調子なのだ。マツは機嫌が悪いときはヌシが朝のあいさつをしたって「ガン無視」であるから、ヒジキをどれだけエンジョイしてくれているかということである。
ところで、マツたちタマキビのヒジキの食べ方には大きな特徴がある。彼らは基本的にはヒジキの表面の黒い部分しか食べない。ヒジキの真ん中の透明なゼリー状の部分はきれいに残してしまうのである。周りを食べ終わって用がなくなると、ポイッと底のほうにゼリー部分だけ投げ捨てて知らん顔をしている。太めのヒジキを好むのは、周りだけを食べる上で都合がよいからなのかもしれない。ただし、たまにきちんと中身のゼリー部分も食べてあることもあって、それがどういう理由によるものなのかはまだ分からない。しかも、この食べ方がまた器用なのである。2本のツノで上手にヒジキを押さえて、口をヒョットコのように尖らせて器用に吸い付いていたり、お腹で上手に抱えて頭からかぶりついていたりする。その姿はいずれも、まるでどこかで出会ったことのある腹ペコの人間のようで、「やっぱり所詮同じ生きもの同士、人間も貝もそう変わらないなあ」と思わず何度もうなずいてしまう。
↓私の使っている製品とは違うが、同じくヤマナカフーズの韓国産の「姫ひじき」を紹介。
ものは試しと海水でふやかしてからマツに食べさせてみると、それはそれはよく食べるので驚いた。乾燥ひじきを巻貝のエサに使えるというのは、今のところ私の知る限りでは、貝類の飼育法を書いた書籍には載っていない情報であるから、実は大発見なのでは!?と密かにほくそ笑んでいる。奥能登の海にももちろんヒジキはあるのだろうが、他の海藻類が豊富なのであまりメジャーな食材とは言えない。マツもおそらく奥能登の海では、ヒジキをメインディッシュにしていたわけではないはずだ。だから、なぜそんなにマツがヒジキを好むのかは謎である。
今飼っている貝たちの中でヒジキを目に見えてよく食べるのは、マツたちタマキビだけだ。そしてマツはその中でもダントツでこの「姫ひじき」がお気に入りである。スガイやイシダタミたちは、ヒジキにはほとんど手を付けない。たまたま私が持っていたのは「姫ひじき」なのだが、その名の通り細く短いものばかりだ。しかしどうもマツは本当は太めのひじきのほうが好きなようなので、できるだけ太めの部分を選んで入れてやっている。今度機会があったら、値段は張るだろうが、もう少し太めのひじき(いわゆる「ごんぶとひじき」)を食べさせてやろうかと思う。先日能登で手に入れてきた生の海藻類も食べてはくれるものの、どういうわけかそれでもやっぱりマツはこの韓国産の「姫ひじき」が一番好きらしいから参ってしまう。
数日前、ここのところ能登の生の海藻ばかりを食べさせていたので1ヶ月ぶりに「姫ひじき」を入れてやったところ、マツの喜びようと言ったらなかった。いつもは2~3本も入れれば十分なのだが、何本入れてやってもすぐに食べ尽くしてしまうのだ。あまりにすぐに入れたヒジキが「消える」ので、マツがその大きな貝殻に引っ掛けて下に落としてしまったのではないかとボトルの底を確認してみたが、ほとんど落ちていない。そして何よりの証拠が、マツがヒジキを食べたときに出す真っ黒な「ヒジキ色」の丸っこくてツヤツヤ&ピカピカした糞である。ヒジキを食べさせたときのこの糞はマツの健康の証でもあるが、かなり臭いがきついこともたしかである。ひじきは繊維が多いから、人間でよく言われる「宿便」でも出てくるのではないか?と勝手に想像している。
ヒジキを食べさせてやった翌日のマツは、朝からゴキゲンである。朝、ボトルのフタを開けて「マツ、おはよう」とあいさつをすると、走り(?)寄ってきてこちらの目をしっかりと見ながらツノを盛んに振っているからよく分かる。そしてそれは「もう全部食べちゃったから、もっとちょうだい♪」という意味でもある。「やれやれ・・・」と思いながらも、過保護なヌシは、ついついマツのリクエストに応じて追加のヒジキを入れてやるのだが、甘すぎるだろうか? 新しいのを入れてやると、早速マツはそのヒジキにまたかぶりつくといった調子なのだ。マツは機嫌が悪いときはヌシが朝のあいさつをしたって「ガン無視」であるから、ヒジキをどれだけエンジョイしてくれているかということである。
ところで、マツたちタマキビのヒジキの食べ方には大きな特徴がある。彼らは基本的にはヒジキの表面の黒い部分しか食べない。ヒジキの真ん中の透明なゼリー状の部分はきれいに残してしまうのである。周りを食べ終わって用がなくなると、ポイッと底のほうにゼリー部分だけ投げ捨てて知らん顔をしている。太めのヒジキを好むのは、周りだけを食べる上で都合がよいからなのかもしれない。ただし、たまにきちんと中身のゼリー部分も食べてあることもあって、それがどういう理由によるものなのかはまだ分からない。しかも、この食べ方がまた器用なのである。2本のツノで上手にヒジキを押さえて、口をヒョットコのように尖らせて器用に吸い付いていたり、お腹で上手に抱えて頭からかぶりついていたりする。その姿はいずれも、まるでどこかで出会ったことのある腹ペコの人間のようで、「やっぱり所詮同じ生きもの同士、人間も貝もそう変わらないなあ」と思わず何度もうなずいてしまう。
↓私の使っている製品とは違うが、同じくヤマナカフーズの韓国産の「姫ひじき」を紹介。