今度は真夏日。リーダー(長老)とはお別れかもしれない。

昨日にも増して今日の東京は暑かった。都心では今年初の真夏日とのこと。ここからそう遠くない群馬県の館林市では35度を超える猛暑日だったという。だから、どちらかと言えば私の住まいの近辺は、猛暑日に近い状態だったと推測できる。こんなこともあろうかと、エアコンを朝7時過ぎからタイマーでオンにしておいたのは、かろうじての救いだった。だが、どんなに頑張っても、水温は24度まで下げるのが精一杯だった。

暑さのせいか昨日から元気がなかったリーダー(長老)だが、もしかしたらもう駄目かもしれない。毎晩、夜になって少しだけ涼しくなったとき、エサや健康チェックのためににボトルのフタを開けて「点呼」を取る。先ほどもそうしたのだが、昨晩休ませるために置いてやった場所からリーダーは動いていなかった。もしや・・・と思い、ボトルから出してみると、顔を除いたお腹をほとんど全部出したまま反応がない。指で触ってみると、生きていればすぐに身を引っ込めるのだがそれもなく、死後硬直と思われるような若干の硬さが感じられた。もう一晩様子は見てみるが、なにぶん高齢と思われるリーダーのことだから、覚悟しなければいけない。リーダーに関してはそう長くは生きられないだろうと予測はしていたが、いざその時がやってくると受け入れられない。

リーダーとはけっこうコミュニケーションが取れていた。平和主義で無口で自己主張をせず、おまけに神経質で臆病ときているスガイとはなかなか「語り合う」ことができなかった。だが、その中でもリーダーはここ数ヶ月で私に心を開いて(?)くれていた。特にゴエモンが死んだ時は、体の弱いゴエモンのことをリーダーは普段から気遣っていただけあってショックだったのか、ボトルの縁まで上がってきて私の目をじっと見て何かを訴えようとしている姿を見せていた。あの時のリーダーの集中力は今でも忘れられない。少なく見積もっても20分か30分、「言葉」を交わしたのを覚えている。もちろん、本当の人間の言葉なんかではない。ただ、目と目で語り合うというか、そんな時間があった。ひとしきり「話」が済むと、リーダーはまたボトルの奥のほうに戻っていったから、その後ろ姿を見て、やはり何かが通じ合っていることを私は確信したのだった。

巻貝が身を出したまま死ぬというのは、大変珍しい。餓死だったり、病気だったりという場合は、たいてい最後はフタをほとんど閉じて、少しだけ半開きにしたまま息絶える。だが、お腹をほとんど全部出したままという状態であるとなると、私は今回のリーダーの死(まだ確定はできていないが)は、やはり寿命だったのではないかと思わざるを得ない。老衰による突然死に近いような感じだったのではないだろうか。同じボトル内の残り2匹のスガイたちは、暑さにもめげずけっこう元気であるから、環境が取り立てて悪かったとは思えない。お年寄りが気候の厳しい時期に亡くなりやすいのと同じく、この暑さをきっかけにリーダーもついに力尽きてしまったのでは?と感じる。だから、私は自分をかばうという意味ではなく、他の貝たちが今まで死んでしまったときほど強い自責の念を不思議と持たずに済んでいる。しかし、それでもやはり他の仲間を気遣って最期まで「長老」としての風格を体現してくれていたリーダーがいなくなるのは、どうにも悲しいし、すんなりとは受け入れられそうにない。

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