マツ、能登の「おすそ分け」文化の恩恵にあずかる。(2)

帰宅して、マツたち8匹の無事を確認した後、塩田の親方に協力してもらって汲ませてもらった新鮮な海水で換水を行い、さっそくTさんからいただいたワカメを海水で戻し、ボトルの中に入れてみた。おそらく今までで一番長い、まる6日間近くの留守だったから、さぞかしお腹を空かせていたはずだし、一刻も早く貴重な「ふるさとの海のワカメ」を食べさせてやりたかった。

他の貝たちはともかく、マツは滅茶苦茶ご機嫌ナナメであった。私がどんなに話しかけても、こちらを向かない。この頃、マツが機嫌が悪いときになだめ役を買って出てくれている、名無しちゃん(名前がないので、文字通り名無しちゃん・・・)が、「マツ、ヌシが帰ってきたよ!」とでも言うように、ツノで何度もマツを突付いていたが、マツは頭を出しているくせに、絶対にこちらを向かないのだ。6日間のうちに、寒気も訪れたし、お腹も空いたしで、いろいろと面白くなかったのかもしれない。まあしょうがないと、私も疲れていたので、取りあえずワカメを入れるだけ入れ、点呼を取って寝てしまった。

翌朝・・・朝のあいさつをするためにマツのボトルを大きな水槽から出そうとすると、既にマツはガラスに張り付いてお出迎え。何と今までに見たことのないほど、

超ゴキゲン♪

なマツがそこにいた。「おいしかったでしょ?」とマツに話しかけると、クルクル回る「お茶目ポーズ」(別名:マッツンダンス)だけでなく、何度も身を乗り出しては私のほうを見ながらツノを振る「万歳ポーズ」(・・・と命名)まで見せる始末。ボトルのフタを開けてまたびっくり。昨晩あんなにたくさん入れておいたワカメが、きれいさっぱりなくなっている。要するに「おかわりをくれ」という意味だったのか? マツにまだ戻していないワカメの袋を見せて、「おかわり?」と聞いてみると・・・「それだよ、それ!」と、興奮状態。

これは大変、大ニュース!!!と、すぐにTさんにメールで報告。Tさんもよかったと喜んでくれた。新鮮な「ふるさとの海水」もよかったのだろう。マツはやっぱり、塩田の海の子なのだなあと実感した瞬間であった。

人気の投稿

ゼンスイ・TEGARU(テガル)レビュー:初日

イシダタミの飼育は難しい。

ゼンスイ・TEGARU(テガル)レビュー:2週間目